顧客はサービスを買っている

顧客はサービスを買っている―顧客満足向上の鍵を握る事前期待のマネジメント

顧客はサービスを買っている―顧客満足向上の鍵を握る事前期待のマネジメント

評価:☆☆☆★★

感想:
サービスサイエンスの入門書ととらえてもいいかもしれない。
章立ては以下の通り。

第1章 いまや、企業はすべてサービス業である
第2章 分類すると、サービスの特性が見えてくる
第3章 分解すると、サービスの要素が見えてくる
第4章 モデル化すると、サービスの骨格が見える
第5章 サービスの論理をマスターすれば勝てる
第6章 サービスと顧客満足の鍵を握る「事前期待」
第7章 誰も気づかなかった事前期待のマネジメント
第8章 いかにサービスバリューを高めるか
第9章 サービスサイエンスイノベーション

1-3章くらいまでは、特に特筆すべきところはない。
サービスの効率化とか、サービスの高付加価値化を考えたことがある人なら、「あーそうだよねー」と思える内容。目新しいものもない。
サービスの分類とか区分とかを著者が地道にやった内容が記されているので、そのあたりは参考になるかもしれない。

4-5章あたりは、サービスの高付加価値化のための標準化の話。
これもそれほど目新しい内容ではない。ここまでの内容で終わった本だったら壁本だったかも。

6-7章がこの本で一番素晴らしいところ。
「そうそう、これだよ、俺が言いたかったこと!」「ちゃんと論理立てて纏めている!」という感動。
「事前期待」と「期待値のマネジメント」が以下にサービスビジネスにとって大事か、ということ。

で、8-9章でSSMEの今後の展望も踏まえて締めている。

6-7章がなければ壁本。強いて言えば6-7章をもっと深掘りして、もう1冊といったところか。

厚さの割に非常に気軽に読み進められ、著者が実際にサービス改善を行った事例も載せられているので、サービスサイエンスとサービス改善の入り口としてはお勧め。