大停電の夜に

(2005・アスミック・エース

監督:源孝志
出演:豊川悦司田口トモロヲ原田知世、吉川晃司、寺島しのぶ井川遥香椎由宇田畑智子淡島千景宇津井健
評価:☆☆☆★★

感想:
さぁどうだ!といわんばかりの豪華キャスト。いずれもどこかで主役級を張っていてもおかしくない顔ぶれ。
イメージとしては「ラブ・アクチュアリー」のような、オムニバス系の映画だ。

ビルの屋上から天体望遠鏡をのぞく少年、死を目前にした父親を見守る男、今日こそは不倫相手に別れを告げようと心に決めて電話する女、別れた彼女を待ち続けるバーのマスター、刑期を終え出所したばかりの元ヤクザ、孫へのプレゼントを用意し出かける間際の老夫婦、仕事なのか浮気なのか帰りの遅い夫を待ちくたびれる主婦、ホテルのベルボーイ、ろうそく屋の店主の女の子。。。クリスマスの町には様々な人が行き交っている。しかし都会では彼らにつながりが生まれることはまずない。そんないつもどおりのクリスマスイブのはずだった。。
「12月24日午後5時頃、東京を含む首都圏一帯で広域停電が発生した模様です」そんなラジオから流れるニュースの声。
街中がすっかり闇に包まれ、いつもよりも星が綺麗に見える夜。人々はその暗闇の中で、いつもは見えない何かを見つけるのだろう。

冒頭で「ラブアクチュアリーのような映画」と紹介したが、唯一違う点は本作のストーリーが、その周囲の闇と同様に、ほのかに暖かいのだがどこか暗く寂しいというところだ。

もしこんな夜が実際にあったら、あなたは誰と何をして過ごしますか?本作の中の誰のような過ごし方をしたいですか?そんなことを考えながら見てみてほしい。