博士の愛した数式


THE PROFESSOR AND HIS BELOVED EQUATION(2006・日本)
東京国際映画祭公式参加作品☆
東京国際映画祭特別招待作品☆

監督:小泉尭史
原作:小川洋子芥川賞受賞作品)
出演:寺尾聰深津絵里吉岡秀隆、斉藤隆成、浅丘ルリ子
評価:☆☆☆★★

家政婦が派遣された先には風変わりな男がいた。その男=博士のもとをここ数ヶ月で9人の家政婦が去っていた。
博士は過去の事故の後遺症で80分しか記憶が持たなかった。
家政婦には10才になる子供がいた。
家政婦とその子供、そして数字を愛する博士。この3者が次第に心を通わせてゆく、心温まる物語。

美しい日本の風景と美しいピアノの旋律の融合、そしてゆったりと流れる3人の楽しい時間。日本人がどこかへ忘れてきてしまった日本ならではの「美しさ」「至高の愛」を思い出させてくれる、心温まる作品。
また、それと同時に博士が紡ぎ出すさまざまな数式、数学の知識が「潔さ」や「今という時間の大切さ」をしみじみと感じさせる。

本作は小泉尭史監督、寺尾聰主演による3つ目の作品である(「雨あがる」「阿弥陀堂だより」)。
寺尾聰深津絵里の掛け合いや、先生役の吉岡秀隆が実に良い味を出している。また、深津絵里が始めて母親役に挑んだ、という点でも注目である。

本作の登場人物のほとんどには名前がない。博士、未亡人、家政婦、その子供の通称「ルート」。
それは即ち、「大事なものはココ(心の中)にある」という博士の言葉をそのまま表しているのではないだろうか。

是非もう一度、自宅でゆっくりと見たい作品。原作も読んでみたい。
評価は本音では4つ星。でも、深津絵里出演で贔屓目が入ってる可能性もあるので3つにしてみた(笑)

2006年新春公開予定。
オフィシャルサイト
http://hakase-movie.com/