亡国のイージス

先週に引き続いて映画鑑賞。終映間近のこの作品をチョイス!

監督:阪本順治
出演:真田広之寺尾聰佐藤浩市中井貴一
原作:福井晴敏
評価:☆☆☆☆★

以下感想。
福井晴敏作品の映画化、第3弾。終映が迫りつつある時期でしたが、何とか見てきました。

まず、一言。やっと日本映画でもこのクラスの表現が出来る映画が出たかと。
邦画界に期待する身としてはうれしい限り。
ま、原作の力が圧倒的という気もするものの、映像化不可能とも言われてたこの作品がちゃんと映像で描かれている。今までハリウッドで「トムクランシー・シリーズ」や「24」で描かれているような舞台がしっかり描かれている。いやはや、参りました。感動。

で、褒めてばかりでもアレなので少々苦言を呈すると、やはり原作を描ききれていない点が目立ちます。先に日本を読んでた人からすると、人物の背景描写とかが物足りない。(先に映画を見れば全く問題ないのかもしれませんけど。。)

たとえば、仙石、如月行、ヨンファ、ジョンヒなどの主要人物のバックボーン。パンフなどを見ると多少補足されているんだけど、本編ではあまり触れられてなかったり。。。(行は比較的描かれているほうか。ジョンヒが描かれなさ過ぎ。)
それがゆえに、ヨンファの「よく見ろ日本人、これが戦争だ」という発言や、「どんなにみっともなくてもいい、とにかく生きろ!」という仙石の台詞などなどが思ったより胸に響いてこない。。。惜しい。惜しいなぁ。。。
本読んだときは、泣きそうになるところだったんだけど。。。

だからかなぁ、、、本来格好良いはずの真田広之の役どころを差し置いて、佐藤浩市が格好よい。

原作は平和ボケ日本人に対して、戦争とはなにか、国家とは何か、国防とは何かを問うている作品かと思っている。でも、映画版は単なる軍事クーデターとそれを解決する男たちの活躍を描く映画に過ぎない、と思う。
それでも、ここまで描けるようになったのはすばらしいことだし、映画のみで評価すれば充分に高い評価だ。(正直、同じ福井原作でもローレライはDVDイラネって感じだが、これは買ってもいいかと思った)

てか、その前に原作読み直しじゃね。うん、その価値あり。論文「亡国の盾」読んでみたいし。