"海外アウトソーシングに対するユーザー満足度が低下--米調査"

 コンサルティング会社のDiamondCluster InternationalがIT関連業務のアウトソーシングに関する年次調査を行ったところ、「オフショアリングサービス」プロバイダに満足している利用企業の割合が79%から62%に低下していることが判明した。さらに、契約期間終了前にアウトソーシング企業との関係を解消した利用企業の割合は51%と、前回の調査時から倍増した。

 DiamondClusterのコンサルタントTom Weaklandは、「プロバイダ側だけの責任とは言えない」と述べ、さらに次のように続けた。「多くの利用企業では、ここ数年で少なくとも1社とアウトソーシング契約を結んでいる。しかし、利用企業側は、依然として、自社のアウトソーシング計画が成功したか否かを評価する有効な手段を有していない。その方法を確立することは、欲しい情報を得て、望む成果を達成する上で極めて重要だ」

オフショアリングに対する理解はなかなか高まらないですね。まぁ、当然とは思いますが。
アウトソーサーの立場からアウトソースの現状を言わせてもらえば、ハードウェアやソフトウェアなんかのコストよりも人件費がバカ高いわけで(米国はもちろん日本はもっとその傾向が強いのではなかろうか)、10年・20年先を見据えて継続的な運用を維持するためにかかるコストというのは、人間様のお金が半分以上を占めるわけですね。
で、利用企業側は通常一番にコストメリットを求めるわけで(もちろん品質向上などを求めるところもありますが、二の次ですよね)。でも、やってる作業の内容やセキュリティの問題などを考えると、この人件費の部分が劇的に安くなる*1なんてことはありえないわけです。
で、その結論がオフショア。私なんかに言わせれば「安かろう・悪かろう」の典型。特に日本なんかは常に言語の問題を抱えているわけで、世界共通語に近い英語圏の人間が抱える以上のフラストレーションがユーザー企業側にはかかるでしょうね。
また、今後オフショア地域へのITアウトソースを考えているITマネージャは多いと言うような統計の結果も出ているようですが、これがパルミザーノ・レポートと相反することになるのではないか、とも感じられるので、この先数年の米国のIT市場動向は目が離せないかなぁと。

*1:50%60%OFFとか