PC中心時代の終焉が始まる

昨日締めると宣言しましたが、もう一個だけ。。。。
たぶん年明けにも総ざらい的な記述、Newsが増えると思われるのでもう一度やると思いますが。。。
今回はちょい長いです(^^;

PCは儲からない。でも止められない、という苦しみ

 IBMを復活させたルイス・ガースナーは、顧客への提供価値と収益性という2つの異なる軸の最適融合を実現した経営者だ。彼が発見した解は、IBMのフルラインアップ製品群をIBMのサービステクノロジーで組み合わせ、チューニングすることでさらなる価値を引き出すという、オープン製品が当然の世の中で逆のベクトルを確立することだった。その戦略の中で、最辺縁にあるクライアントPCであっても、顧客への提供価値のひとつである「TCO(所有者が支払うコストの総計)の最小化」を図るためにはIBMが定める基準をクリアしたIBM製品でなければならなかった。

 仮にクライアントPCがIBM以外の製品であれば、「ガースナーの解」は崩壊する可能性が大きい。単にPCが他社製品になるという売上のマイナスだけではなく、未知のリスクを抱えた大量の他社PCを企業内ネットワークに取り込むだけで、付加価値=収益性の高いサービスは、あっという間に手のかかる収益性の悪い事業に成り下がってしまうからだ。そして、次にはPCを端緒にして、コントロール不可能な=メンテナンスに知見を蓄積することができない管理コストの大きな他社製品が雪崩を打って聖域に入り込んでくるだろう。IBMというブランド力で包括的に顧客を取り込むことではじめてITサービスは収益性を高めることができるのだ。その取り込みが包括的でない限り、他社と差別化できないどころか、むしろ「やってはいけない」事業になりかねない危うさをガースナーは理解したに違いない。

 それを考える限り、PC事業単体の負債が相当程度あっても、サービス部門の利益率が高ければ、IBM総体としては十分に補いきることができるのだ。すなわち、PCが完全にコモディティ化し、IBMが求めるクオリティレベルに他社PCが追随し横並びになった=他社製品を取り込むことによるリスクの最小化が実現した今こそ、あえて出血し続ける事業を保有し続ける必要はなくなったのだろう。

んー、果たしてそうであろうか。。。
確かにPCはコモディティ化し、いずれのメーカーのPCであってもある一定レベルのクオリティは保てるようになった。しかしながら、フルラインアップ製品群のうち、最も手が掛かるといっても過言ではない、エンドユーザー・インタフェースを切り離すのはまだ危険なのではないか。
そう思う一方で、だからこそ切り離し、信頼できる他者をパートナーとしてリスクを低減しているのかも知れない、とも感じる。
いずれにしても、一介のSE風情には数年先にならないとこの決断の成否は判断つかない。。。